世界には様々なジャンルのダンスが存在します。ダンスはいつも私たちを芸術の世界、エンターテイメントの世界へ連れていってくれます。
そんな数あるダンスの中でも違いがいまいちわからないと言われているクラシックバレエとモダンバレエ。
今回はその違いを歴史を通してわかりやすく解説します。
バレエの歴史
バレエはイタリアで生まれフランスで広まりました。宮廷で貴族のために踊られていたとされています。
その後宮廷から劇場に場所が変わりオペラ作品などの中で踊られるようになります。
1760年にノヴェールというフランスの舞踊家が「舞踊とバレエについての手紙」を発表し"バレエとは何か"を概念化し近代芸術としてのバレエが成立しました。
ノヴェールが提唱したこの概念では、バレエはセリフや歌はなくダンスだけで表現する「舞踊言語」で物語るものとされています。
その後18世紀後半にロマンティックバレエが生まれ、トウシューズを履いて踊るようになりバレエのパ(ステップや動きの総称)が力学的に完成したと言われています。
物語の内容を重視していたこのロマンティックバレエは徐々に衰退していきましたがロシアでは踊り続けられていました。
ここでは物語とは無関係な踊りのシーンが取り入れられるようになります。
ロシアではフランスの振付家マリウス・プティパの監督のもと『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』などの作品が発表されます。
プティパはプロローグ、グランパドドゥ、アダージョ、コーダなどのバレエ作品のスタイルを整え、古典バレエの多くの名作を生み出しました。
これがクラシックバレエ(古典主義のバレエ)の誕生と言われています。
よりダンサーの動きが見えるように衣装も長いものから短いもの(チュチュ)に変化していきました。
モダンバレエの歴史
その後ヨーロッパやアメリカでは社会変革とともにダンスも新しいものへと変化していきます。
ドイツではフリーダンス→ノイエ・タンツ→モダン・ダンスと名前が変化していき、新しいダンスが盛んに行われていました。
このモダンダンスの代表的な舞踊家にイサドラ・ダンカンがいます。
ダンカンはスキップやランニングなどの動きを作品に取り入れ、自然と一体となったような神聖な表現が評価されました。
このダンカンに影響されたバレエの振付家たちがクラシックバレエにない新しいステップや民族舞踊の要素を取り入れていき作品を発表していきます。
これらが主にモダン・バレエだと言われています。代表的な振付家にミハイル・フォーキンがいます。
フォーキンはニジンスキーやバランシンなど他の振付家とコラボレーションしバレエ・リュスという大きなバレエ団で作品を発表していきました。
衣装と振付が異なる
このように長い歴史を通して生まれたクラシックバレエとモダンバレエですが現代の日本で呼ばれるモダンバレエにはモダンダンスや現代舞踊、コンテンポラリーダンスの要素も含まれることがあります。
一般的にわかりやすくモダンバレエと呼ばれることも多くあります。
このモダンバレエですがクラシックバレエとの大きな違いは振付、音楽、衣装、演出などが作者の自由に構成されていることです。
また、トウシューズは履かず裸足で踊ることがほとんどで、衣装は作品のテーマに合ったものが選ばれます。
どのジャンルでも基礎を大切に
2つのダンスの歴史とその違いを紐解いていきましたが、どのジャンルにおいても基礎をじっくりと深めていくことが上達に繋がるのだと考えます。
モダンバレエ教室では様々な独自の方法でレッスンが行われています。
バーレッスンはダンスにおいての基本姿勢、足の上げ方、膝の伸ばし方、かかとの上げ方、腕や上半身の使い方など様々な筋肉の使い方を学べる素晴らしいトレーニングだと考えます。
これらをきちんと習得することはモダンバレエでオフバランスになったり独特な自由な表現において必要となり、パフォーマンスする際においてもこの知識が役に立ちます。
まずは身体がどのように動くのかどのように使ったら良いのか、という感覚を育て身体の感度を上げられるように日々レッスンしていきたいですね。
そして先人たちが築いてきたダンスを大切に一つ一つの作品を心を込めて踊っていきたいですね。