教室のレッスンでは即興ワークをダンストレーニングの重要な要素として取り入れております。
ダンスにおける即興とは一体どのようなものなのでしょうか?
また子どもたちが即興を行っていくことでどのような効果があるのでしょうか。
今回はわかりやすくご紹介します♪
即興とは自分から生み出される正解も不正解もない動き
即興とは言葉通り、その瞬間思いついたことをすることです。
あれをやってみよう、これをやってみようと事前に考えずに、その瞬間思いついたことをそのまま身体に乗せて動いてみることです。
もちろん事前に合わせた振付もありません。
初めて即興をすると、「どんなことをしたらいいの?」「恥ずかしい」とその場にボーッと立ってしまうだけ・・
なんてこともあるかもしれません。でもそれも立派な即興♪身体が出してくれたその瞬間の答えです。
生徒たちとワークをするときは「こんな風にしたらいいよ」や「もっとこんな風に動いてみよう」などいわゆる声かけはほとんど行いません。
大切なのはその瞬間「自分は何がしたいのか?」ということに気付いてもらうことだと考えております。
その瞬間に出た動きは瞬時に消えてなくなってしまう儚いもの。
だから「正解」か「不正解」か考えている暇もないのです。
知らなかった新しい自分‥そして友だち
ワークを繰り返していくうちに「私ってこんなことできるんだ」「こんなことしてみたかったかも」「自分って面白い♪」と新しい自分に出会うことができます。
自分が自分であることを感じることができ、ありのままの自分をとっても大切に思うことができます。
また自分に集中できるようになると、周りの様子も少し感じられるようになります。
「あなたがそんな動きをするなら私はこんな動きをしてみようかな」
「あの子のあの動き面白い♡」
などどんな相手でも受け入れ、思いやる気持ちが育まれコミュニケーションにおける重要なトレーニングにもなると考えます。
ヘンテコ言葉で即興してみよう♪
トレーニングの一部をご紹介します。
小学校1年〜中学生のクラスの子どもたち対象に、その日思いつくあらゆる名詞をあげてもらいます。
そしてその名詞の説明にあたる言葉(形容詞や修飾語)を考えてもらいます。
その名詞の「どんな」にあたるものです。
そしてその名詞と形容詞にあたる言葉の組み合わせをヘンテコな組み合わせにしてみます。
「いうことをきかないヘビ」
「バラバラなロボット」
「ばかばかしいかえる」
などたくさんのヘンテコな言葉が生まれました。
その言葉をお題に即興をしてもらいます。
いきなり何もないところから「即興しよう!」では困惑してしまいますが、このように想像のヒントとなるものがあると身体も動きやすくなります。
さらにヘンテコな言葉なので子どもたちは楽しんで即興することができます。
また聞いたことのないオノマトペも作ってみました。
「ぽまみん」
「ピキョンゴ!」
「ピャンク!」
言葉の響きからイメージして身体を動かしてみます。
振付や創作のトレーニングにもなります。
このトレーニングでは見たこともないあらゆる動きが生まれていました⭐︎
↑こちらはカードを使って即興ゲーム
⭐︎黄色のカードには名詞
⭐︎緑のカードには形容詞
1枚ずつめくってできた「ヘンテコ言葉」で即興します♪
自分を再確認、相手と繋がる喜び
このように即興とは事前に準備なく瞬時に思いついたことをそのままする、正解も不正解もない楽しい世界です。
即興ワークを重ねていくと「私が私である」という温かな認識が生まれます。
情報や物に溢れる今、本当の自分に気づくことはとても難しく感じます。
即興ワークはそのお題や自分自身の身体(身体のある一部分など)に一時的にとても集中することで「空っぽの自分」になることができます。空っぽの自分はあらゆる物や事象に変身することができます。
またその空っぽの自分は自分以外の他の相手のことを余計な思考をせずに認識することができます。
相手も空っぽの自分に集中しているからこそです。空っぽの自分同士だと純粋にリスペクトし合うことができます。
即興ワークはチームワークが欠かせない群舞においても大切なトレーニングにもなりますし、日々のコミュニケーションとしても非常に有効なワークだと考えております。
大人がやると頭がすっきりとして、なんだか浄化されたような感覚になり身体が軽く感じられます。
即興ワークは大人ダンスクラスでもやっています♪
決められた振付を美しく踊ることもダンス。
即興のように空っぽに動くことも立派なダンス。
ダンスを通して子どもたちのワクワクを育てていくことができたら嬉しいです。
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