今回はダンスと動きについて考えてみたいと思います。
歩いたり走ったり、高いところのものを取ったり、拾ったり。
階段を登ったり降りたり、重いものを運んだり…。
私たちは普段多くの身体的動作を行なっています。
しかしダンサーの動きを見てみると、どうでしょう。
普段とは違う角度でバランスを取ったり、
一度にたくさん身体を回転させたり、思い切り高く脚をあげたり、
ジャンプしたり…。
その姿はとても優雅で強靭です。
この一瞬一瞬が生き生きとしていて鮮やかで、これこそがまさに芸術です。
ではこのような動きはどの様にして生み出されるのでしょうか?
動作を理解するためには3つの意識が大切だと言われています。
骨
関節
骨格筋
まず「骨」。
身体には206の骨があります。
骨は筋肉を支え、筋肉にとって「てこ」の役割を果たします。
身体では関節が定点で、骨がてこ、作動力は筋肉の収縮となります。
頭で理解していても「骨」を意識するのはなかなか難しいことです。
そして次に「関節」。
関節は二つの骨が向き合うところです。
膝も股関節も肩関節も二つの骨が向き合っています。
ですが膝の関節と股関節では形が異なり、動きの幅も違います。
ダンサーはどの関節がどの程度そしてどの様に動くのか
常に自身での研究が必要です。
最後に「骨格筋」。
これは一般的に筋肉と言われているものです。
遅筋繊維と速筋繊維と二つのタイプに分かれます。
バレエダンサーは遅筋繊維の割合が高いと言われていますが、
筋肉質だったりがっしりとしていて力強いダンサーは速筋繊維の割合が
高いとされます。ちなみに私は後者のタイプです。
美しい動きを生み出すためには全ての筋肉を協力させ、
コントロールする力が必要となります。
この3つを鍛えるにはやはりバレエの基本とされるバーレッスンが一番
有効なのではないかと考えます。
「ここはこういう風に動くんだ」と理解出来るのに加え、
「今日はここが動きにくいな」など一つの基準にもなります。
その様にして自分の「身体」を理解していくことが、
モダンバレエやコンテンポラリーなどの
自由な振付になったときにも上手く働きます。
身体が「動く」こと。
そしてこれを「芸」にすること。
この追求に終わりはなく、本当に楽しい世界なのです。